本研究は、心臓に対する圧負荷応答およびその破綻によって生じる心不全において、心筋細胞に生じる不均一性を詳細に評価し、その疾患発症における意義の解明を目指したものである。我々は圧負荷心不全マウスの心臓から単離した心筋細胞の1細胞トランスクリプトーム解析、心臓切片の1分子レベルRNA in situ hybridization解析を行うことにより、心不全過程において心筋細胞の時空間的な挙動を分子レベルで明らかにし、心不全誘導に関連する特徴的な因子を同定した。本研究は、臓器を構成する細胞集団の不均一性を解明する手段を新たに構築するのみならず、その解析法の病態解明における有用性を実証している。
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