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2015 年度 実施状況報告書

新たな洞房結節自動能制御機構の解明とその心不全における意義

研究課題

研究課題/領域番号 15K19376
研究機関京都大学

研究代表者

大野 美紀子  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10583198)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード洞房結節自動能 / 心不全
研究実績の概要

細胞外ドメインシェディング活性化因子、ナルディライジン(NRDc)は、核内で転写制御因子としても働く「多機能プロテアーゼ」である。NRDc欠損マウスは、洞房結節におけるHCN4の発現低下によるIf電流低下に伴う徐脈と、代償性交感神経活動亢進の表現型を呈すが、心不全を来さない。
本研究では「NRDcが核内において、転写因子と複合体を形成し、HCN4の発現を制御する」という仮説のもと、生理的状態と心不全における洞房結節自動能制御の役割解明を目的とした。
(1)NRDcによる洞房結節自動能制御機構;クロマチン免疫沈降(ChIP)法やChIPシークエンス法などを用いて、NRDcが洞房結節自動能に必須のイオンチャネルの上流で、どのような転写因子とともに、いかにして転写制御に関わるのかを明らかにする。
(2)NRDcのプロテアーゼ活性の意義;酵素活性欠失型NRDcベクターや酵素活性欠失型NRDcノックインマウスを用い、HCN4の発現制御と心不全における表現型を解析する。
(3)心不全におけるNRDcの意義:臓器(心筋/洞房結節)特異的NRDc欠損マウスや酵素活性欠失型NRDcノックインマウス、心筋特異的NRDc過剰発現マウスを用いた圧負荷モデル(心不全モデル)の解析、心不全患者における血清NRDc測定と予後の相関分析を行い、心不全状態におけるNRDcの意義の解明することを目的とした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

NRDcによる洞房結節自動能制御機構について、クロマチン免疫沈降法を用いたNRDcの転写制御における意義の検討について、新たな知見が得られた。また、心房特異的NRDc欠損マウスの長時間心電図を用いた解析や、心筋特異的NRDc欠損マウス、心筋特異的NRDc過剰発現マウスにおける圧負荷モデル(心不全モデル)の作成を行い、解析を進めるところまで進展した。

今後の研究の推進方策

臓器特異的NRDc欠損マウス及びNRDc過剰発現マウスを用いた、圧負荷モデルの心不全の進展について、内因性心拍数や自律神経活動をモニタリングしながら、解析を行う。
酵素活性欠失型変異NRDcノックインマウスの作製及び解析も進めながら、NRDcの転写制御因子としての役割について更に検討する。

次年度使用額が生じた理由

基金補助金のため。

次年度使用額の使用計画

最終年度分と併せて使用予定。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Nardilysin controls circulatory dynamics through regulating sympathetic innervation.2015

    • 著者名/発表者名
      Ohno M, Nishi K, Hiraoka Y, Niizuma S, Saijo S, Sakamoto J, Chen P-M, Morita Y, Matsuda S, Kita T, Kimura T, Nishi E.
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] ナルディライジンによる交感神経系を介した循環動態の制御2015

    • 著者名/発表者名
      大野美紀子、平岡義範、松浦博、西清人、西城さやか、坂本二郎、陳博敏、森田雄介、北徹、木村剛、西英一郎
    • 学会等名
      第16回日本循環制御医学会
    • 発表場所
      ウインクあいち
    • 年月日
      2015-06-05 – 2015-06-06
  • [学会発表] Nardilysin controls heart rate through the regulation of sinus node automaticity2015

    • 著者名/発表者名
      Ohno M, Nishi K, Saijo S, Sakamoto J, Chen P-M, Morita Y, Makiyama T, Kita T, Matsuura H, Kimura T, Nishi E.
    • 学会等名
      第79回日本循環器学会学術集会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2015-04-24 – 2015-04-26
  • [図書] 認知症学会誌 Dementia Japan2016

    • 著者名/発表者名
      大野美紀子 西英一郎
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      笹氣出版印刷
  • [備考] 京都大学大学院医学研究科循環器内科学講座 分子病態学研究グループ

    • URL

      http://kyoto-u-cardio.jp/kisokenkyu/sentan-bunshi/

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公開日: 2017-01-06  

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