研究課題
本申請研究では、心臓筋繊維芽細胞由来CNPの心筋リモデリングにおける役割とそこに関わる分子機序を、CNP及びGC-Bの心臓構成細胞特異的ノックアウトマウスなどの遺伝子改変動物を駆使して明らかにし、その心不全・予防における意義を示すことを目的とする。本年度は、前年度に引き続き、筋繊維芽細胞に発現するperiostin-cre(Postn-cre)マウスとCNP-floxマウスとの掛け合わせにより作製した筋繊維芽細胞特異的CNPノックアウトマウス(CNP cmfKO)を用いた大動脈縮窄による圧負荷モデル(TACモデル)での心肥大、病的心筋リモデリングについて、N数を増やした解析を行っており、CNP cmfKOにおいて心肥大、病的心筋リモデリングの増悪を認めている。またCNPの受容体であるGC-B-floxマウスとalpha-MHC-creマウスを交配させた心筋特異的GC-Bノックアウトマウス(GC-B cmKO)でのTACモデルを用いた心肥大・心筋リモデリングに対する効果の有無についての検討に関しても、preliminaryな検討ではGC-B cmKOのTACで心肥大・病的心筋リモデリングの増悪は認めていないが、N数を増やして、更なる解析を進行中である。これらのpreliminaryな結果から、心筋線維芽細胞由来CNPが圧負荷による心肥大・病的心筋リモデリングに対して保護効果を示し、その効果は心筋細胞へのCNPの直接的な作用ではないことが考えられ、心筋線維芽細胞自身にオートクライン、パラクライン的に作用する可能性を考えperiostin-creマウスとGC-B-floxマウスとの掛け合わせによる筋線維芽細胞特異的GCBノックアウトマウス(GC-B cmfKO)が得られてきており、其れについて、TACモデルを作製し、心肥大・病的心筋リモデリングへの影響について検討を開始している。
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Hypertension
巻: 69 ページ: 289-296
10.1161/HYPRTEISIONAHA.116.08219.