心臓はポンプ機能を維持するため他臓器に比して激しくATPを消費するが、虚血におけるATP産生の制御機構は明らかでない。本研究では、ATP産生制御因子G0S2がどのようにATP合成酵素を介したATP産生制御に関わっているかについて検討し以下を明らかにした。(1)G0S2はユビキチンプロテアソーム系によって分解される。(2)変異体解析から、疎水性領域のアミノ酸が分解に強く寄与する。 (3)この変異体を導入した心筋細胞では、野生型に比して低酸素下のミトコンドリアATP産生低下を軽減した。これらの結果はG0S2タンパク質分解の抑制を標的としたATP産生を増強する新たな創薬への可能性を示唆する。
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