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2016 年度 実施状況報告書

血栓性動脈硬化の経時的変化と臨床への影響について

研究課題

研究課題/領域番号 15K19393
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

下角 あい子  和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60508000)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード治癒血栓 / 動脈硬化 / 虚血性心疾患 / 光干渉断層法
研究実績の概要

冠動脈の動脈硬化の一因と考えられる治癒血栓について、その成り立ち、形態学的特徴、亜分類、臨床上の特徴・意義について検討を行っている。これまで、虚血性心疾患における冠動脈プラークは脂質性プラークに焦点が当てられ、プラーク破裂やプラークの脆弱性、脂質沈着のメカニズムについての研究・報告が多く成されてきた。しなしながら、冠動脈内イメージングの発展により生体内で冠動脈の断層像を精密に得られるようになり、脂質プラークだけでなく、プラークには層構造を呈しながら冠動脈狭窄が進行していく病態があることが明らかになってきた。これらは、内皮細胞障害や無症候性プラーク破裂に伴う血栓形成が繰り返されることによる層構造と考え、治癒血栓も虚血性心疾患の一因ではないかと考えている。以上より、まずは治癒血栓の組織学的特徴を光干渉断層像との比較により生体内で同定することを第一の目標とし、研究を遂行中である。現在、血栓形成および血栓の特徴についての組織学的解析および臨床例における画像解析は順調に遂行中である。動物実験においては今後の検討課題であるが、まずは剖検症例において冠動脈の動脈硬化病変における治癒血栓の同定、組織と光干渉断層像との比較による治癒血栓の特徴の定義を行い、それを公表することで、動脈硬化の新たな分野の研究基盤になると考えている。具体的には、治癒血栓はHE標本だけでは同定が困難であり、シリウスレッド染色の偏光像を用いて同定を行い、対応する光干渉断層像においても同部位に層構造を高頻度で呈することが示された。同様の層構造が認められる臨床症例を今後は研究対象としてその患者背景や予後を検討予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

動物実験は、時間的制限もあり、遂行準備段階であるが、その他の剖検症例を用いた組織学的検討および画像との比較検討や、臨床例における検討は順調に遂行中であり、やや遅れているを選択した。

今後の研究の推進方策

今後もこれまでと同等に研究を推進していく予定であり、動物実験においても時間的制限が解除されれば遂行できると考えている。

次年度使用額が生じた理由

今年度は研究遂行と並行して論文投稿準備を行ったため、経費のかかる実験や学会発表が行えなかったため。

次年度使用額の使用計画

成果発表が重要であるため、次年度も論文投稿とともに積極的に学会発表や研究を遂行していく予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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