心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患は急性発症も多く、再発リスクも高いため、発症予測が重要である。発症予測に対してさまざまな検討がなされてきた中、我々は、一般的な発症リスクとされる脂質プラークではなく、無症候性血栓症に引き続きおこる治癒血栓について検討を行った。血栓は血管内腔側に付着し治癒するため、治癒血栓は層構造をなす。剖検の冠動脈において治癒血栓と考えられる層構造をシリウスレッド染色で同定したところ、狭窄病変の約3割に治癒血栓を認め、光干渉断層像(OCT)で高い検出力を示した。本研究により、今後は臨床的、経時的に治癒血栓を検討することが可能になり、発症予測に繋がると考えられる。
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