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2015 年度 実施状況報告書

気管支喘息における樹状細胞、T細胞のプロトン感知性受容体OGR1の役割

研究課題

研究課題/領域番号 15K19412
研究機関群馬大学

研究代表者

青木 悠  群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (80447268)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードアレルギー
研究実績の概要

生体において細胞外pHは7.4に保たれている。しかし炎症局所においては様々な炎症細胞の浸潤を伴い、低酸素、低pH環境となる。このような細胞外pHの変化を感知する機構としてプロトン感知性Gタンパク質共役型受容体OGR1(Ovarian cancer G protein-coupled Receptor 1)が報告されている。OGR1はpH6~8とより生理的な状態からpH変化を感知するため、組織、細胞における様々な機能への関与が考えられる。
これまで、OGR1欠損マウスを用いて、気管支喘息モデルを作成し、OGR1の気管支喘息における役割について解析してきた。OGR1欠損マウスでは気管支喘息の特徴である気道過敏性や気道炎症が抑制されたことから、OGR1は炎症に対して促進的に働くことがわかった。
OGR1の役割について詳細なメカニズムについて解析を行うため、各炎症性細胞に着目し研究を進めてきた。骨髄由来樹状細胞において、OGR1欠損マウス由来樹状細胞では野生型由来樹状細胞と比較して遊走能が抑制されることから、OGR1が気管支喘息における重要なレギュレーターであることがわかった。
また、OGR1欠損マウス由来樹状細胞と脾臓由来T細胞の共培養によって、Th2系サイトカインの抑制が認められた。脾臓由来T細胞にもOGR1が発現していることから、T細胞においてもOGR1が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

T細胞におけるOGR1の機能について解析を主たる目的としているが、樹状細胞のT細胞に対する抗原提示機能の解析に難渋している。樹状細胞の抗原提示に関わる抗原の取り込み能、表面マーカーの発現についてフローサイトメトリー法を用いているが、うまく解析できていない。

今後の研究の推進方策

樹状細胞の抗原提示に関わる抗原の取り込み能、表面マーカーの発現についてフローサイトメトリー法を用いているが、うまく解析できていない。フローサイトメトリー法に用いている抗体を調整するほか、ウェスタンブロッティング法、mRNAレベルでの解析も考慮し進めていく。

次年度使用額が生じた理由

OGR1のT細胞の役割について解析を進めているが、樹状細胞との共培養実験における抗原提示能、抗原取り込み能などの解析については平成27年度科研費を獲得する前から所持していた抗体、磁気ビーズで解析が進められたため、試薬などの購入に計画よりも予算をかけずに済んだため、次年度使用額が生じた。また、樹状細胞やT細胞におけるフローサイトメトリー法による解析が難渋し、研究が滞っているため。

次年度使用額の使用計画

フローサイトメトリー法の抗体を見直し、新たに購入する。また、フローサイトメトリー法以外の方法としてウェスタンブロッティング法の試薬を購入し、タンパクレベルでの解析を進める。
さらに、mRNAレベルでの確認も計画する。mRNAの抽出に必要な試薬、リアルタイムPCRに使用する試薬やprobeも購入する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Protective Role of Proton-Sensing TDAG8 in Lipopolysaccharide-Induced Acute Lung Injury.2015

    • 著者名/発表者名
      Tsurumaki H, Mogi C, Aoki-Saito H, Tobo M, Kamide Y, Yatomi M, Sato K, Dobashi K, Ishizuka T, Hisada T, Yamada M, Okajima F.
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 16(12) ページ: 28931-42

    • DOI

      10.3390/ijms161226145.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 17(R)-resolvin D1 ameliorates bleomycin-induced pulmonary fibrosis in mice.2015

    • 著者名/発表者名
      Yatomi M, Hisada T, Ishizuka T, Koga Y, Ono A, Kamide Y, Seki K, Aoki-Saito H, Tsurumaki H, Sunaga N, Kaira K, Dobashi K, Yamada M, Okajima F.
    • 雑誌名

      Physiological Reports

      巻: 3(12) ページ: e12628

    • DOI

      10.14814/phy2.12628.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Acidic environment augments FcεRI-mediated production of IL-6 and IL-13 in mast cells.2015

    • 著者名/発表者名
      Kamide Y, Ishizuka T, Tobo M, Tsurumaki H, Aoki H, Mogi C, Nakakura T, Yatomi M, Ono A, Koga Y, Sato K, Hisada T, Dobashi K, Yamada M, Okajima F.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 464(3) ページ: 949-55

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2015.07.077.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ハウスダストマイト点鼻気管支喘息モデルにおけるプロトン感知性受容体OGR1の役割2016

    • 著者名/発表者名
      齋藤(青木)悠、茂木千尋、鶴巻寛朗、矢冨正清、上出庸介、古賀康彦、小野昭浩、土橋邦生、石塚全、岡島史和、久田剛志
    • 学会等名
      第65回日本アレルギー学会学術大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2016-06-18
  • [学会発表] T細胞におけるプロトン感知性受容体OGR1の役割2016

    • 著者名/発表者名
      齋藤(青木)悠、茂木千尋、鶴巻寛朗、久田剛志、小野昭浩、古賀康彦、関香織、矢冨正清、上出庸介、土橋邦生、石塚全、山田正信、岡島史和
    • 学会等名
      第56回日本呼吸器学会学術講演会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2016-04-08

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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