近年、FGFを含む各種増殖因子が癌の生物学において重要であることが報告されており、我々はFGF9に注目し肺癌におけるFGF9の役割について研究を行った。FGF9を発現していない肺上皮細胞株及び肺癌株にFGF9遺伝子を導入しFGF9過剰発現細胞を作製した。非小細胞肺癌(肺腺癌)の細胞株であるA549にFGF9を過剰発現させたところFGF9過剰発現細胞株で足場非依存性の増殖能を獲得したことを確認した。FGF9を高発現した2型肺胞上皮細胞株MLE12-FGF9では免疫不全マウスに皮下移植したところ、小細胞癌を形成し、FGF9は肺小細胞癌においてもoncogeneとしての働きがある可能性が考えられた。
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