研究課題/領域番号 |
15K19432
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
猪俣 稔 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (50465291)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | エクソソーム / miRNA / ブレオマイシン / 肺線維症 / マウス |
研究実績の概要 |
C57BL/6マウスにブレオマイシン(BLM)をosmotic pumpで100mg/kg投与しBLM誘発肺線維症モデルマウスを作製した。BLM投与後1週間、2週間、3週間、4週間のマウスに加え、BLM非投与マウス(normal control)をそれぞれサクリファイスし、ExoQuick(System Biosciences)で血清中エクソソームを濃縮した。同検体中のタンパク濃度は、各群間で有意な差を認めず、同検体でEXOCET(System Biosciences)を用いて行ったexosomeの定量解析でも各群間で有意な差を認めなかった。同様に採取したエクソソーム内のmiRNAを解析するため、miRNA array(3D-Gene)を行った。BLM投与後1週で採取したエクソソーム(Ex1)内には、miRNA 122、1a、192、21などの発現が上昇、Ex2内にはmiRNA 21、144、16などが上昇、Ex4内には202などが上昇していた。また、miRNA 21、122の発現を確認するため、同検体で行ったRT-PCRでは、miRNA 21、122ともにEx2で有意に上昇を認めた。同様に採取したエクソソーム(Ex1-4)とnormal controlのエクソソーム10μgをfibroblast cell line(3T6)に添加し、FCS投与/非投与で3日間培養した。FCS非投与におけるα-SMA、FCS投与/非投与におけるcollagen、ペリオスチンをRT-PCRで解析したが、Ex1-4群、normal control群で有意差は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、平成27-28年度の予定は肺線維症特異的exosomeの同定、肺線維症特異的exosomeによる骨髄細胞のeducate とその肺線維化病態への関連の解明であり、平成29年度以降も同様の研究を継続していく予定である。現在はBLM投与マウス中のエクソソームと、エクソソーム内のmiRNAの一部を同定できており、今後骨髄細胞やエクソソームの肺線維化への影響を解析していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
Exosome中のmiRNA arrayの結果から、exosome各群間において増加しているmiRNAが異なることが予想されるため、各miRNAをRT-PCRで解析する。また、研究計画のように、肺線維症特異的exosomeの解析後、GFPトランスジェニックマウスに週2-3回経静脈的に2-3週間投与し骨髄をeducateする。この骨髄細胞を放射線照射した C57BL/6マウスに移植し、約4週間経過観察しGFP陽性骨髄への再構築を行う。その後同マウスにosmotic pumpでBLMを投与し線維化を誘発する。BLM投与後14-28日目にサクリファイスを行い、exosome非投与マウスからの骨髄移植群との肺線維化形成の相違をAshcroft score、collagen assayで検討し、同時に肺内のCD45・CollagenⅠの二重染色を行い fibrocyte の数や局在を評価する。また、fibrocyte に関連する肺内のVEGF、MMP-9、IL-1β、CCL2、CXCL12、IFN-γ、TGF-beta、PDGF などを ELISAで測定することも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
イギリスにおけるEuropean Respiratory SocietyのConferenceで研究発表を行う予定であったが、テロによる安全性の問題が生じキャンセルとなったため、当初予定していた使用額よりも少なくなったことが原因である。
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次年度使用額の使用計画 |
研究自体は着実に進んでいるため、マウスやcell line、その他各種試薬などの購入や学会費などに引き続き使用していく予定である。
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