特発性肺線維症は活動性の高い早期線維化巣を多数形成し、細胞外基質の沈着から呼吸不全を呈し予後不良である。細胞外基質は細胞の支持機能のみならず、細胞表面の基質受容体を介し細胞の機能調節に重要な役割を果たしている。 本研究は特発性肺線維症の早期線維化巣では、線維芽細胞はIV型コラーゲンを産生しており、線維芽細胞の遊走や新生血管の形成を抑制していることを示した。特発性肺線維症の早期線維化巣は血管形成が乏しく、形態的特徴に合致しており、線維芽細胞遊走を阻害して早期線維化巣を維持する一つの要因がIV型コラーゲン沈着と推察され、特発性肺線維症の予後予測因子や新規治療標的として研究が進むことが期待される。
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