研究実績の概要 |
1. EGFR 遺伝子変異とTOPK 発現の関連:EGFR 陽性肺癌細胞株(PC9,HCC827,H1975) およびEGFR 野生型肺癌細胞株(A549,H157,H1299,H322,H460,LK2,LK87,H23 など)に対して、TOPK の発現をウェスタンブロット法で解析した。 2.肺癌患者組織検体におけるTOPK 発現と、EGFR 変異を含む臨床病理学的特徴および予後との関連:臨床情報を収集した265例の非小細胞肺がん手術症例のうち、病理組織の保存検体が存在し、TOPKの発現を免疫組織学的に解析可能であった症例が218例であった。それらの症例においてTOPKの発現を免疫染色を用いて解析を行った。TOPK発現例では、非発現例よりも予後が不良な傾向が示された。また、TOPKの発現は、EGFR遺伝子変異陽性例において、統計学的有意に多く認められ、申請者の仮説に沿った結果であった。 現在、①EGFR阻害薬耐性株におけるTOPK発現、②EGFR 陽性およびEGFR 野生型肺癌細胞株に対して、EGFR 阻害薬(Gefitinib、Erlotinib)で処理を行い、survival signal(Akt、Erk、mTOR、S6)とともにTOPK の発現が抑制されているか、ウェスタンブロッティング、フローサイトメトリー、リアルタイムPCRによる解析、③TOPKをノックダウンした場合のEGFRのシグナルの変化、を解析中である。
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