肥満は増加傾向に有り、高血圧や心血管病及び慢性腎臓病発症と密接に関連している。肥満が高血圧を来しやすい原因として、血圧に対する食塩感受性が亢進していることが臨床試験で示されているがその機序は不明である。申請者らは、肥満に特有のアディポカイン異常が腎尿細管におけるナトリウム輸送体の異常亢進を惹起して食塩感受性高血圧発症の原因になると推察した。食塩感受性高血圧モデルラットの肥満型と非肥満型を比較において、同量の食塩摂取でも肥満型で高血圧及び腎障害を生じやすいことを認め、肥満型では高食塩摂取時に腎尿細管のあるナトリウム輸送体異常が生じていることを発見し、原因となるアディポカインの異常を検討している。
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