研究課題
小胞体ストレス亢進を認めるAQP11ノックアウトマウスでは、小胞体でのタンパク修飾、特にpolycystin1の糖鎖修飾不良によって、polycysitin1が膜への移行ができなくなり、機能低下することを報告した(J Am Soc Nephrol.2014)。これは、小胞体ストレスなどで小胞体が機能低下を起こした際に、膜蛋白の発現量/局在/修飾などに様々な変化が起こる事を示唆した。本研究では、塩分やカリウムなどの過剰な負荷/欠乏やそれに関わる液性因子が、小胞体ストレスや酸化ストレスを介して、腎臓尿細管の膜蛋白の蛋白修飾/輸送/機能などをどのように制御するかを明らかにすることを目標としている。また、多発性嚢胞腎研究についても、嚢胞腎を薬剤にて誘導可能なモデルマウスを入手し、飼育を開始しており、小胞体ストレスとの連関を検討可能な段階まですすめた。さらにWNKがKLHL2-CUL3複合体によるユビキチン修飾後、p62を介したオートファジーによる制御をうけていることも共著者として報告した(J Am Soc Nephrol. 2015)。KLHL3リン酸化がWNK4との結合をインスリンなどの液性因子によって制御することも報告した(Biochem Biophys Res Commun. 2015)。
2: おおむね順調に進展している
WNKシグナルのさらなる解明によって、本年度に3つの原著論文を英文誌に報告した。また、日本腎臓学会YIA(Young Investigator Award,若手研究者賞)を受賞した。
多発性嚢胞腎モデルマウスにおける、小胞体ストレスの嚢胞腎進展への影響を検討する。電解質異常における腎臓尿細管での小胞体ストレスの検討をおこなう。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件)
J Am Soc Nephrol.
巻: 26 ページ: 2129-2138
10.1681/ASN.2014070639.
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 467 ページ: 229-234
10.1016/j.bbrc.2015.09.184.
Biol Open.
巻: 4 ページ: 1509-1517
10.1242/bio.013276.