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2016 年度 実績報告書

小胞体ストレスシグナルによる、電解質輸送膜蛋白の制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K19446
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

井上 佑一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50735834)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード酸化ストレス / 塩分感受性高血圧 / 電解質異常
研究実績の概要

塩分負荷や電解質異常に伴うERストレスや酸化ストレスに対する検討については、当初予定していた成果は得られなかったが、代わりに塩分負荷や電解質異常について以下の成果が得られた。
塩分を過剰に貯留する偽性低アルドステロン2型(PHAII)の原因遺伝子のひとつであるKLHL3をノックアウトしたマウスを作成し、その表現系について解析を行った。KLHL3のexon3にLacZを組み込み,内因性のKLHL3プロモーター下にβ-galを発現するノックアウトマウスを作製した。その結果、KLHL3では,脳と腎臓での発現が強いということが確認された。また,KLHL3ホモノックアウトマウスの腎臓では,WNK1とWNK4の分解不良による発現増加を認められ,その下流のSPAKとナトリウムクロライド共輸送体(NCC)のリン酸化が増加し,高血圧・高カリウム血症・代謝性アシドーシスといったPHAII様の表現系を示し、新たな塩分感受性高血圧モデルが得られた。この結果はすでに論文にて報告を行っている。
電解質負荷に伴うPHAIIの原因となるWNK4-SPAK-NCC経路の制御については、高カリウム血症に伴うカルシニューリン(プロテインフォスファターゼ2B)の活性化がWNK4とSPAKとは独立してNCCを脱リン酸化するという新たな制御機構を発見し報告した(Kidney Int. 2017, Feb91(2):402-411)。
慢性腎臓病(CKD)モデルマウスとして5/6腎摘マウスとアリストロキア酸腎症モデルについてい検討し、これらCKDモデルマウスの腎臓において酸化ストレスを受けていることを確認し、CKDモデルマウスではWNK-SPAK-NCC経路が活性化しているという結果が得られている。今後、CKDと酸化ストレス・ERストレスと電解質輸送体の制御のメカニズムについて詳細を検討していく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] KLHL3 Knockout Mice Reveal the Physiological Role of KLHL3 and the Pathophysiology of Pseudohypoaldosteronism Type II Caused by Mutant KLHL3.2017

    • 著者名/発表者名
      Sasaki E, Susa K, Mori T, Isobe K, Araki Y, Inoue Y, Yoshizaki Y, Ando F, Mori Y, Mandai S, Zeniya M, Takahashi D, Nomura N, Rai T, Uchida S, Sohara E.
    • 雑誌名

      Mol Cell Biol.

      巻: 37(7) ページ: e00508-16

    • DOI

      10.1128/MCB.00508-16

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] WNK4 is an Adipogenic Factor and Its Deletion Reduces Diet-Induced Obesity in Mice.2017

    • 著者名/発表者名
      Takahashi D, Mori T, Sohara E, Tanaka M, Chiga M, Inoue Y, Nomura N, Zeniya M, Ochi H, Takeda S, Suganami T, Rai T, Uchida S.
    • 雑誌名

      EBioMedicine.

      巻: 18 ページ: 118-127

    • DOI

      10.1016/j.ebiom.2017.03.011

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Comprehensive genetic testing approach for major inherited kidney diseases, using next-generation sequencing with a custom panel.2017

    • 著者名/発表者名
      Mori T, Hosomichi K, Chiga M, Mandai S, Nakaoka H, Sohara E, Okado T, Rai T, Sasaki S, Inoue I, Uchida S.
    • 雑誌名

      Clin Exp Nephrol.

      巻: 21(1) ページ: 63-75

    • DOI

      10.1007/s10157-016-1252-1

    • 査読あり
  • [学会発表] KLHL3ノックアウトマウスの作製と解析2016

    • 著者名/発表者名
      佐々木絵美, 蘇原映誠, 須佐紘一郎, 森崇寧,磯部清,荒木雄也,井上佑一,頼建光, 内田信一
    • 学会等名
      第59回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜・横浜
    • 年月日
      2016-06-17 – 2016-06-19

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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