C57BL/6のバックグラウンドを有するApoE KO マウスの凍結受精卵を日本チャールス・リバー株式会社を通じてJackson laboratoryより購入し、体外受精による繁殖を開始したが、産仔が本来の毛色と異なる灰色ないし白色であった。ApoE KOであることは確認できたが、系統が異なるものであったため、再度凍結胚受精卵を送付してもらった。出生後は、本来の黒色の毛色だった。さらに、大学動物実験施設内での動物の移動もあり、計画より遅れたが、ApoE KOとメガリンKOのダブルKOマウスの樹立に成功した。頭数が少ないものを検討した結果、15週齢のダブルKOマウスでは、コントロールであるApoE KOと比較し変化がなかったが、21週齢ダブルKOマウスでは、ApoEとメガリンKOのダブルKOマウスでは、ApoEKOマウスと比較して、動脈硬化病変が軽減している傾向を認めた。また、同時に、もともとの動脈硬化の検討の中で、食事摂取の影響も同時に検討した。10週齢のApoE KOマウスに片腎摘出術を行い、2群に分けて、6週間カゼインを含む通常食の餌ないしカゼインの代わりに米タンパク質を含む餌を投与した。米タンパク質 (植物性タンパク質)の摂取は、通常食であるカゼイン (動物性タンパク質)と比較して、腎障害にともなう動脈硬化病変を軽減した結果を得ている。他の知見を加えて、現在、論文を投稿準備中である。
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