本邦におけるeGFR60未満の慢性腎臓病(CKD)患者は約1300万人に上るとされる。CKDの悪化により毎年約1万人に新規の透析導入が必要となっており、CKDの根治的治療の開発は急務である。本研究は、リガンド依存性転写因子である内因性甲状腺ホルモン受容体(TR)αが有する腎障害抑制作用を明らかにするものであり、TRαKOマウスを用いて、片側尿管結紮を行った慢性腎障害モデルにおける小胞体ストレス応答に注目し検討を行った。甲状腺ホルモン受容体が、腎臓の線維化進展に抑制的な作用を有していることを示唆する結果が得られ、現在その作用機序の解析を進めている。
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