当院で経験した既知の疾患に分類できない沈着腎症の糸球体沈着物を解析した。レーザーマイクロダイセクションにより糸球体を分離し、LC-MS/MSによる解析を行い、病因蛋白質の同定を行った。診断に使用済の残余腎生検検体を用いて解析を行い、通常用いられる資料量の20%程度である1mm2の総面積を回収した。解析の結果、234種類の構成蛋白質を同定しえた。沈着物のない微小変化型ネフローゼ症候群および沈着物が明らかな腎アミロイドーシス検体を対照とし病原蛋白質を検討した。現在も検討を継続しており、今後は候補蛋白に対する抗体を作成し、染色を行い、沈着物を同定する予定である。
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