研究課題
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常“CKD-MBD”は、リン代謝破綻に起因する“多臓器疾患”である。CKD患者にとって、骨異栄養症や血管石灰化のみならず、最近では、心肥大を伴う心疾患や骨格筋萎縮による予後の悪化が極めて深刻な問題である。そこで今年度は、CKD-MBDモデルマウスから回収したサンプルを用い多臓器に渡るミネラル代謝破綻機序とその治療効果についてメタボローム解析とDNAマイクロアレイ解析を中心に検討した。また、ビタミンD受容体欠損によるCKD-MBD発症の程度についても評価を行った。さらに、CKD-MBDモデルマウスに低リン食や経口活性型ビタミンD投与を行い、CKDにおける多臓器連関疾患(特に筋組織)の治療効果について網羅的オミクス解析にて評価した。メタボローム解析では、CE/MS装置を中心に用い、既知の低分子(標準検体として脂肪酸、アミノ酸、核酸、エネルギー代謝に関する110因子)の変動について徹底的に解析した。またパスウェイ解析により生物学的な臓器間および細胞内シグナルの関連性を評価した。引き続き、血液や尿中に含まれる代謝産物を抽出し、CKD-MBDの早期診断マーカーや多臓器合併症予測マーカーに適している候補因子を探索している。さらに、CKDステージ各々の、腓腹筋、ヒラメ筋、心臓、動脈、結腸等mRNAを用いDNAマイクロアレイ解析にて、創薬ターゲットを網羅的に明らかにすることで次世代の創薬デザインに役立て、CKD-MBDの効果的予防法や多臓器疾患対策について展開している。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)
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