慢性腎臓病(CKD)に伴う骨・ミネラル代謝異常は、リン代謝破綻に起因する”多臓器疾患”である。本研究では多臓器に渡るミネラル代謝破綻機序とその治療効果について解析を行った。CKD誘発ビタミンD受容体(VDR)欠損マウスでは、血中尿素窒素やリン濃度の上昇抑制が見られ、VDRの阻害が腎保護に効果的であることが示唆された。さらに組織選択的VDRの重要性と低リン食、ビタミンD投与による治療効果も評価している。 また、メタボローム解析装置を用いて、生体内の代謝産物を網羅的に検出し、膨大なデータを得た。これらの結果を用いてCKD-MBD発症の早期診断マーカーや多臓器合併症予測マーカーの同定を試みている。
|