研究課題
平成27年度計画として、「1) AKIからCKDへの移行におけるMetSの関わりについてモデル動物を用いた検討。2) AKIからCKDへ移行する過程における、TLR4の内因性リガンドおよび受容体の変化検討」を掲げた。B6マウスの片側腎に虚血再灌流障害(IRI)を施し4週間後に腎臓を観察すると、IRIを行った側の腎臓は障害を与えていない対側の腎臓と比較して著明に委縮していた。同様の変化はdb/dbマウスやDIOマウスといったMetSモデルにおいても観察されたが、著明な皮下脂肪の影響などによる手技のばらつきのためコントロール(非MetS)マウスとの比較が困難であった。またIRIから4週後、TLR4の内因性リガンドであるMRP8の変化を免疫染色によって検討した結果、腎臓内MRP8の発現は非IRI群マウスと比較して有意差がなく、現在IRI急性期を含むAKIからCKDへ移行する過程におけるMRP8の時系列変化を検証中である。
3: やや遅れている
B6マウスの片側腎に虚血再灌流障害(IRI)を施し4週間後に腎臓を観察すると、IRIを行った側の腎臓は障害を与えていない対側の腎臓と比較して著明に委縮していた。同様の変化はdb/dbマウスやDIOマウスといったMetSモデルにおいても観察されたが、著明な皮下脂肪の影響などによる手技のばらつきのためコントロール(非MetS)マウスとの比較が困難であった。またIRIから4週後、TLR4の内因性リガンドであるMRP8の変化を免疫染色によって検討した結果、腎臓内MRP8の発現は非IRI群マウスと比較して有意差がなく、現在IRI急性期を含むAKIからCKDへ移行する過程におけるMRP8の時系列変化を検証中である。
虚血再灌流腎障害マウスの慢性期萎縮腎サンプルを、リアルタイムPCRアレイを用いたパスウェイ遺伝子発現の定量解析にかけて、炎症性サイトカインやWNTなどのシグナル伝達経路の変化を調べる。また、臓器および時期特異的なMRP8 KOマウスおよびTLR4 KOマウスを用いて、AKIからCKDへの移行過程における慢性炎症の果たす役割を明らかにする。in vitroの系では、マウス足細胞やラットメサンギウム細胞を、低酸素や高酸化ストレスといった虚血状態と同等の環境下に置き、シグナル伝達の時系列変化を解析する。
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