PlGFは慢性腎臓病における炎症や低栄養と相関し,腎機能低下の重症度と比例して増加した.また,慢性腎臓病患者でPlGF濃度は心血管疾患や総死亡の独立した予測因子になることが明らかになった.心血管疾患の2年間の発症予測モデルにおいて,PlGFの予測能は既知のバイオマーカーであるBNPと比べても遜色なく,またPlGFとBNPを併用することで予測能の向上が得られた.また,これらの研究結果は慢性腎臓病症例のみならず,血液透析や腹膜透析などの透析患者でも同等であることが確認された.これらの臨床データを基礎として,ヒト腎組織や腎不全マウスの血管病変とPlGFの関連性について検討し,現在解析を進めている.
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