研究課題
本年度はパーキンソン病におけるレボドパ治療抵抗性症状の一つである歩行障害についての生理学的な計測システムの確立を行った。運動障害において歩行障害は一つ重要な臨床指標である。歩行についてより客観的な測定を目指すため歩行解析システムを構築しパーキンソン症候群を呈する患者において試験的に歩行解析を実施した。使用したシステムは圧センサーシート(ウォークWay MW-1000(アニマ社):120 x 480 cm)である。歩行の時間・距離因子の評価のみならず圧計測により設置部位や足圧中心の軌跡も評価可能ある。さらに通常の4倍のサイズのシートを用いることでより長距離での評価(進行方向のブレなど)が可能となる。下図は健康成人とパーキンソン症候群の歩行の差である。パーキンソン症候群ではストライドの減少、歩隔の増加が認められており、歩行障害を定量的に評価することが可能となっている。また磁気刺激効果のメカニズム解明のためコントローラブル経頭蓋磁気刺激装置を用いた基礎的な生理学実験を行った。神経修飾法の一つである連合性対刺激について同装置を用いて探索的に条件検索を行い一次運動野内の異なるシナプス回路がどのように神経可塑性誘導に関わっているか検討している。これにより効果的な神経修飾プロトコール開発のための生理学的基盤が明らかにできると考えている。
2: おおむね順調に進展している
効果的なプロトコールの開発と、難治性の神経症状の測定方法の確立に関して研究を進めており概ね順調に進行している。
本年度に確立した歩行解析装置を用い、さらに明らかとなった神経修飾の神経生理学的基盤に基づき、今後はパーキンソン病をはじめとする神経疾患患者において神経修飾法による歩行障害への影響を検討する予定である
当初予定していた解析ソフト購入について他の研究費で賄うことができたため
被験者謝金、消耗品の購入に充てる予定
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件)
Brain Stimulation
巻: 未 ページ: 未
not determined yet
Neuroscientist
巻: 22(1) ページ: 83-97
10.1177/1073858414559409
巻: 8(3) ページ: 442-54
10.1016/j.brs.2015.01.404