研究課題
本研究の目的はパーキンソン病・パーキンソン関連疾患におけるレボドパ治療抵抗性症状に対する磁気刺激治療開発である。そのためレボドパ治療抵抗性症状について、パーキンソン病における客観的測定方法の開発、効果的刺激プロトコールの探索、多数部位刺激による効果の検討、磁気刺激治療効果のメカニズム解明という4つのアプローチによる研究を行った。昨年度までに歩行障害の客観的測定方法を確立し、今年度は探索的にパーキンソン病・パーキンソン病関連疾患において同測定系を用いて歩行障害について検討した。その結果、ある課題においてパーキンソン病では比較的早期から歩行パラメータに変化があることが分かった(未発表データ)。これが意味するところの検討は継時的な変化を追うことが必要であるとともに、今回の結果は少数例の検討であり今後も症例を蓄積して検討を進める予定である。多数部位刺激による効果の検討についていくつかの刺激部位の組み合わせで探索的に検討したものの、より強力な効果を得ることはできなかった。効果的刺激プロトコール探索ならびに磁気刺激治療効果メカニズムの解明の一環として、刺激強度が神経修飾法の効果に与える影響を検討し、最適刺激強度が個々人で異なることが判明した(Sasaki et al., Brain Stimulation, 2018)。以上の探索的結果を踏まえ、実際に治療効果が最も得られる刺激法の探索を行い治療応用に向けた基礎的研究を今後も検討するための画期的な示唆が得られた。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Brain Stimulation
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