研究課題
外因性ミクログリアを脳梗塞に類似した低酸素低糖刺激(OGD)にて,保護的ミクログリアに変化させることができることを明らかにした.さらに,この保護的ミクログリアを脳虚血後のラットに動脈投与することで,運動機能が改善促進させることを明らかにした.また,機能回復の機序を明らかにした.細胞投与後の血管新生,神経軸策伸展を共焦点レーザー顕微鏡で観察し,3D解析IMARISで評価した.保護的ミクログリア細胞を投与した群では,細胞対照のアストロサイト投与群,PBS投与群と比べて,虚血辺縁の神経軸策進展,虚血中心の辺縁部の血管新生を有意に認めた.血管新生は,新生血管マーカーのCD31と細胞増殖マーカーKi67免疫染色で確認した.血管新生と神経軸策の伸展はその局在の違いから,直接的ではないものの,間接的な関連が示唆された.さらに,これまでは,仔マウス・ラット脳からミクログリアを分離していたが,今後の臨床応用も念頭にし,これまで行っていない成体脳梗塞ラットからミクログリアを分離することができるかも検討した.脳梗塞後,梗塞巣周辺に,ミクログリアが集簇していることも明らかにしており(Brain 2015),脳虚血3日後に8週令ラット脳からミクログリアの分離できるかも検討した.結果,成体脳梗塞ラットからミクログリアを分離することができることを明らかにした.また,OGD刺激が,低酸素刺激,低糖刺激のみよりも相乗効果を有することも検討した.保護的サイトカインVEGF量を培地中のELISAにて測定したところ,OGD刺激は,他の群より,有意にVEGFを分泌していることを明らかにした.
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