研究課題/領域番号 |
15K19479
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
石原 智彦 新潟大学, 脳研究所, 助教 (70612232)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ALS / 介在ニューロン / iPS細胞 |
研究実績の概要 |
平成27年度に,1) ホルマリン固定パラフィン包埋組織 (FFPE) からのレーザーマイクロダイセクション(LMD)を使用したRNA回収と解析方法の検討,2) iPS 細胞の運動神経への分化誘導 を行った.
ヒト脊髄のFFPE標本を使用し,遺伝子Xを対象に検討した.脱パラフィン,Cresyl violet 染色後に.Leica LMD 7000 (Leica Microsystems)を使用し,LMDを行った.miRNeasy FFPE kit (Qiagen) にて,total RNA を回収し,逆転写反応により相補的DNA cleanを作成した.定量にはddPCR法を選択した.FFRP検体ではmRNAの断片化が知られている.実際に同一遺伝子領域で,51bp,108bp の増幅産物でddPCRを施行すると,増幅効率に明らかな差を認めた.今後の測定に際しても増幅産物サイズに留意する.
2) 介在ニューロンの作成に先立ち,運動ニューロンの作成を行った.iPS細胞はコントロールおよび家族性ALS患者由来のものを用いた.iPS細胞継代の翌日よりDorsomorphin,SB431542,CHIR99021を 添加し,神経分化指向性を強化した. Primary neurosphere(PNS)形成誘導のために,基礎培地を DMEM/F12-Glutamaxに変更し,3日目よりRetinoic acid (RA),Purmorphamineを加えた.PNS形成誘導開始から, 15日でpolyQ/Lamininコートしたplateに播種を行い,運動ニューロン分化用のmediumにて7-10日間培養した.得られた細胞が,ISL-1, ChATのmRNA,蛋白質の発現がみられる事を定量PCR,Western blot法にて確認し,運動ニューロンへの分化を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した予定に準じ,パラフィン包埋からの細胞の切り出し,iPS 細胞の作成を行えている.
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今後の研究の推進方策 |
介在ニューロンの切り出しと解析を進める. 今後はiPS細胞からの介在ニューロンの作成に進んでいく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
既に保有する試薬,検体を中心に用いたため,使用予算が当初見込みより減額された.
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次年度使用額の使用計画 |
当初の実施予定にのっとり,iPS細胞の維持管理,FFPE検体からのmRNA定量を継続する.
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