研究代表者らは、前頭側頭葉変性症患者の死後剖検脳を用いた大脳病変のマッピング,およびこれに基づく病態特異的診断バイオマーカーの提唱、および前頭側頭葉変性症における中枢神経病変,特に尾状核・被殻病変の細胞病理学的な病態解明をテーマに研究を行った。結果として、前頭側頭葉変性症においては、正常コントロールやアルツハイマー病に比べて、新線条体の障害が高度であることを明らかにした。とくにGABA作動性遠心ニューロンの障害が選択的に起こり、介在ニューロンは障害を免れることを証明した。そして、線条体遠心ニューロンの中でも、サブスタンスPを神経伝達物質とするニューロンが高度に障害されることを明らかにした。
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