多系統萎縮症(MSA)では早期から認知機能低下を認めうることが指摘されている.ただその病態は十分に分かっていない.そこで明らかな認知機能低下を認める症例を含めたMSAに脳容積、脳内回路解析を認知機能別に施行、健常群と比較し萎縮、脳内回路障害の有無を確認しMSAにおける認知機能からの早期診断マ-カ-の開発を行った. 結果:疾患群では健常群と比較し認知機能が有意に低下していたが萎縮部位は小脳主体で大脳皮質は保たれていた.一方認知機能低下群で広範な脳内回路障害を左優位の脳梁に認めた.以上からMSAでは萎縮より解剖学的脳内回路の変化が出現しており、認知機能低下に関連している可能性が示唆された.
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