筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療法開発には病態関連分子の同定が重要であるが、大部分を占める孤発性ALSの病態関連遺伝子は十分に解明されていない。本研究ではALS患者コホートで収集した多数の孤発性ALS患者のDNAを次世代シークエンサーを用いて遺伝子解析を施行し、3.0%に既知の遺伝子変異を、6.8%に新規の病原性が疑われる遺伝子多型を認めた。ALS疾患関連遺伝子の遺伝子多型は孤発性ALSにも重要な役割を果たしていると考えられた。また、遺伝子変異の頻度を欧米と比較し、C9orf72変異の頻度が低く、SOD1変異の頻度が高いことが判明し、日本のALSでは欧米と遺伝的背景が異なることが示唆された。
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