研究課題/領域番号 |
15K19492
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
米川 智 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40631586)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アロディニア / 気管支喘息 / ミクログリア / アストロサイト / エンドセリン |
研究実績の概要 |
本研究では末梢のアレルギー素因が中枢のグリア炎症を介して神経障害性疼痛のような感覚過敏症(アロディニア)を呈するメカニズムの解明と新規治療法の開発を目的としている。 平成27年度は、気管支喘息モデルマウスにおいて、脊髄グリア炎症が起こっていること、これらの活性化グリア細胞(ミクログリア、アストログリア)はエンドセリン1(ET-1)の受容体EDNRBの発現が亢進していること、及びEDNRBの選択的拮抗薬であるBQ788はグリア炎症の抑制とアロディニアの寛解を誘導できることを解明した。 現在、上記内容を英文論文にまとめ、投稿を行っている。また、実際の患者でアロディニアを持つ症例を対象に、血清のサイトカイン測定や詳細な神経学的診察による臨床的特徴の解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
アトピー性疾患モデルマウスにおけるアロディニアの発症機序を解明するという当初の目的について、少なくとも気管支喘息モデルマウスでのメカニズムの一部は判明し、その経路を阻害する薬剤によるマウスの治療も行った。今後はその他のアトピー性疾患、特にアトピー性皮膚炎モデルにおけるアロディニアの有無及び機序の解明が重要と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は気管支喘息モデルマウス以外のアトピー性疾患モデルマウスにおけるアロディニアの有無お寄り作用機序の解明をおこなう。さらに、末梢のアレルギー素因がその他の神経疾患モデルマウス(パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症など)の臨床症状に与える影響の解明ができればと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に使用予定であった機器が当施設で共用できることが判明したため
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次年度使用額の使用計画 |
残額186,245円はマウス維持管理費、消耗品の購入日に充当する。
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