研究課題/領域番号 |
15K19497
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 将貴 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (90595000)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脳虚血再韓流障害 / L-セリン / アストロサイト |
研究実績の概要 |
脳ではアストロサイトがアミノ酸の一種であるL-セリンを合成し、常時神経細胞へと供給している。L-セリンは神経保護作用があると考えられているが、組織障害における脳内L-セリンが神経の保護作用を持つかは明らかでない。そこで本研究では脳虚血再灌流障害におけるL-セリンの役割を明らかにするため、L-セリン合成酵素コンディショナルノックアウト(PHGDH cKO)マウスのMCAOモデルを作成し、梗塞領域の大きさについて検討した。 コントロールマウスとPHGDH cKOマウスを比較したところ、再韓流後20時間では梗塞体積に大きな差は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物飼育施設の環境変化やGFAP-Cre, flox/floxマウスの出生数により必要な動物が計画通り手に入らなかった。また、虚血再灌流モデルの作成に時間を要したため進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
虚血再灌流後20時間時点で梗塞体積に差がなかったことから、アストロサイトが合成するL-セリンには神経細胞死を抑制する効果は低いと考えられる。一方、脳内L-セリンの供給はアストロサイトのみならず一部は血液に由来することから、まずPHGDH cKOマウスにおいてL-セリンが増加していないことを確認する必要がある。 虚血再灌流後48時間から1週間にかけて神経新生が誘導されることが知られている。したがって再灌流後48時間および1週間における新生細胞を幼若ニューロンマーカーと共染色した上で細胞数を検討する。これによりでL-セリンの神経新生への影響を検討することができる。
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