軸索障害型Guillain-Barre症候群(GBS)の患者血清中に抗GM1抗体が検出されることがある。しかし、抗GM1抗体の出現とGBSの病態の関連は、完全には解明されていない。我々は、抗GM1抗体が、神経系培養細胞の細胞膜上の、中性スフィンゴミエリナーゼ(nSMase)の活性と量を減少させ、神経細胞膜のスフィンゴミエリンが増加することを見出した。また、神経系培養細胞からのエキソソームの分泌も減少していた。抗GM1抗体が、神経系培養細胞の細胞膜の脂質組成を変化させ、エキソソーム分泌量を減少させるという観点から、GBSの病態に新たな知見を加え、今後の治療法に示唆を与える研究成果である。
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