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2017 年度 実施状況報告書

多系統萎縮症の自然史調査と病気の進行・突然死に寄与するバイオマーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 15K19501
研究機関福岡大学

研究代表者

藤岡 伸助  福岡大学, 医学部, 助教 (20735584)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード多系統萎縮症 / バイオマーカー / 高次機能障害 / 神経心理検査 / 放射線学的評価 / 嚥下機能評価
研究実績の概要

多系統萎縮症(Multiple system atrophy: MSA)は、変性α-シヌクレイン蛋白が中枢神経に蓄積することを特徴とするα-シヌクレイノパチーに分類される神経変性疾患である。その臨床症状は自律神経障害、錐体外路徴候、小脳失調の三徴候を特徴とし、それら以外にも、錐体路徴候、レム睡眠行動障害、不安やうつ症状といった精神症状、高次機能障害、転倒などを経過中に呈する。MSAの研究は立ち遅れており、長期的な観察にもとづく臨床症状の自然歴に関する検討も十分になされておらず、確立した治療法もない。また約40%の患者が突然死を起こすが、そのメカニズムも不明のままである。
本研究の目的は、当施設で診療している多系統萎縮症患者を長期的かつ前向きに観察することであり、本疾患の病気の自然歴を把握し、そして病気の進行に関与するバイオマーカーおよび突然死を引き起こすメカニズムを明らかにすることにある。対象患者は、福岡大学神経内科学教室で診療されているMSA患者のうち、臨床診断基準でPossible MSAもしくはProbable MSAの診断項目を満たす患者(約50名)である。基本的に患者の状態評価は、原則、1週間程度の入院中に行う。1年の間隔で本研究期間終了まで評価を繰り返す。評価項目としては、a. アンケート用紙を用いた患者情報の収集、b. 神経脱落所見の評価、c. 高次脳機能評価、d. 血液学的検査、e. 神経生理検査、f. 放射線学的評価、g. 嚥下機能評価、h. 声帯機能評価である。それぞれの詳細を以下に挙げる。
2017年度の目標は適応患者の研究への継続的新規登録と、すでに登録された患者の定期評価にある。この1年で、30名近いMSA患者の再評価を行ったことに加え、10名以上の新規患者登録を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

一部の患者においては、通院・入院が困難となり継続フォローができなくなったこともあり、当初予定していた登録人数にはまだ達していない。

今後の研究の推進方策

さらに登録患者数を増やしながら、継続して登録患者の観察を続ける。

次年度使用額が生じた理由

出席を予定していた学会への出席がキャンセルとなったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Serum uric acid level is linked to the disease progression rate in male patients with multiple system atrophy2017

    • 著者名/発表者名
      Fukae Jiro、Fujioka Shinsuke、Yanamoto Shosaburo、Mori Akio、Nomi Takahiro、Hatano Taku、Fukuhara Kousuke、Ouma Shinji、Hattori Nobutaka、Tsuboi Yoshio
    • 雑誌名

      Clinical Neurology and Neurosurgery

      巻: 158 ページ: 15~19

    • DOI

      10.1016/j.clineuro.2017.04.002

    • 査読あり
  • [学会発表] Probable multiple system atrophy presenting motor fluctuation2017

    • 著者名/発表者名
      青柳諒、藤岡伸助、三嶋崇靖、深江治郎、坪井義夫
    • 学会等名
      第58回日本神経学会学術大会
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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