中枢性SIRT1による食餌嗜好性制御機構を検討した。食餌選択試験では、神経特異的SIRT1過剰発現マウスは、高脂肪食摂食量の増加、高ショ糖食摂食量の減少を示した。他方、神経特異的SIRT1ノックアウトマウスは、高脂肪食摂食量の減少、高ショ糖食摂食量の増加を示した。遺伝子発現解析では、神経特異的SIRT1過剰発現マウスの視床下部で、Tyrosine hydroxylaseの発現が抑制され、オキシトシンの発現が増加した。他方、神経特異的SIRT1ノックアウトマウスでは逆の効果が得られた。これらのことから、中枢性SIRT1はドパミンとオキシトシンシグナルを介して食餌嗜好性を調節することが示唆された。
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