糖尿病性腎症は末期腎不全へと至る疾患で、その患者数は増加している。このため新たな治療法の開発が強く望まれる。蛋白尿の出現が腎機能低下を加速させるが、蛋白尿の主原因である糸球体上皮細胞の糖尿病における障害機構は未だ不明である。再生能の乏しい糸球体上皮細胞にとって細胞内浄化機構オートファジー・リソソーム系の働きは重要であることが推測される。今回、糖尿病性腎症の糸球体上皮細胞においてオートファジー・リソソーム系の機能不全を認め、リソソームの生合成を活性化させることで糸球体上皮細胞障害を軽減しうることが、糖尿病モデル動物および培養細胞を用いた検討により明らかとなった。
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