マクロファージ(Mφ)特異的にサイクリン依存性キナーゼ阻害因子p27kipを発現するMφ特異的増殖抑制マウス(Tgマウス)を作成した。TgマウスにApoEKOマウスを交配し、動脈硬化病変の発症・進展を検討した。Mφ増殖抑制により大動脈弁輪部におけるプラークおよびネクローシス面積割合が減少、プラーク内のコラーゲン含有量低下抑制、Fibrous Cap菲薄化抑制を認めた。また大動脈弁輪部プラーク及び頚部~胸部大動脈における炎症性サイトカインのmRNA発現の減少を認めた。以上よりMφ増殖能のみを抑制したマウスを用いて動脈硬化症発症・進展におけるMφ増殖の直接的で病態生理学的な意義を評価できた。
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