研究課題
我々がQTL解析により同定したIldr2は、小胞体に局在する膜タンパク質をコードしている新規糖尿病感受性遺伝子であり、マウス肝臓におけるILDR2ノックダウンは脂肪肝を誘導する。しかし、ILDR2がどのように脂肪肝発症に関与しているのかは明らかになっていない。近年、小胞体ストレスが、肥満(脂肪肝)や糖尿病など、メタボリックシンドロームの病態と深く関与していることが注目されている。ILDR2は、小胞体局在膜タンパク質であることから、小胞体ストレスによって、その機能が制御される可能性が考えられた。しかし、ILDR2が小胞体膜でどのような機能をしているのかは明らかでない。本研究では、脂肪肝発症におけるILDR2の役割・意義を分子レベルで解明するために、まず、ILDR2と結合するタンパク質を同定し、ILDR2の機能を明らかにすることを目的とした。申請者らは、ILDR2と結合するタンパク質を探索するために、免疫沈降法及びMALDI-TOF/MSを用いて、ILDR2結合タンパク質の同定を試みた。その結果、脂質代謝関連タンパク質を含む、複数のタンパク質をILDR2結合タンパク質の候補として同定した。今後、同定した既知のILDR2結合タンパク質とILDR2の関連を解明することにより、ILDR2がどのように脂肪肝発症に関与するかを明らかにする。さらに、ILDR2と小胞体ストレスとの関連についても明らかにしたい。
すべて 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 477 ページ: 712-716