ヒト臍帯血より分離した巨核球前駆細胞を用い,単一細胞レベルで遺伝子発現解析を行ったところ,巨核球関連遺伝子であるcMpl,GPIbα,vWF遺伝子の発現を認めた.我々がマウスで同定した巨核球前駆細胞の遺伝子発現と類似しており,同細胞がヒトにおけるカウンターパートである可能性が高い. 成人造血器腫瘍15例に対して,臍帯血骨髄内移植を行った.血小板の回復は13例に認められ,臍帯血静脈内移植より有意に優れていた.また移植後早期に注入部位局所のドナー造血が亢進していた.ヒト臍帯血中に血小板分化に傾いた造血幹細胞(巨核球前駆細胞)が存在し,骨髄内移植された局所で血小板造血に与ることが示唆された.
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