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2016 年度 実績報告書

難治性白血病の病態解明(Notchシグナルによる白血病抑制機構の破綻)

研究課題

研究課題/領域番号 15K19543
研究機関筑波大学

研究代表者

加藤 貴康  筑波大学, 医学医療系, 講師 (20646591)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード急性骨髄性白血病 / NOTCHシグナル / 骨髄微小環境
研究実績の概要

急性骨髄性白血病(AML)は、標準治療により約40%の治癒が望まれる。しかし残り60%に相当する難治性白血病の克服にはさらなる病態解明が必要である。NOTCHシグナルは細胞の発生・分化において多彩な機能を有し、T細胞性急性リンパ性白血病の約50%に活性型変異を認めることが報告されている。また造血器腫瘍においてNOTCHシグナルは腫瘍化と腫瘍抑制の2面性を持ち、我々のこれまでの研究からAMLに対してNOTCHシグナルは腫瘍抑制的に働くと考えられる(Leukemia, 29:576-85, 2015)。 AMLでは、微小環境との相互作用という視点では目立った研究報告がなされていない。骨髄造血支持細胞において、NOTCHシグナルが造血に影響を与えるという知見に基づき、骨髄造血支持細胞におけるNOTCHシグナル減弱がAMLに与える影響について研究をおこなっている。平成28年度は、NOTCHシグナルの白血病抑制機構の破綻について、骨髄造血支持細胞のNOTCHシグナルの発現異常に焦点を絞り研究を行った。AMLで頻度の高い染色体転座t(8;21)に由来するRUNX1-RUNX1T1融合遺伝子導入造血細胞を野生型マウスに移植してもAMLを発症しないが、骨髄造血支持細胞でNOTCHシグナルが抑制されたホストマウスに移植することで、早期に死亡することを確認した(未発表)。現在は継時的な微小環境の解析と、死因の詳細な解析、およびNOTCHシグナルによる白血病抑制に重要な造血支持細胞の分子メカニズムの同定を行っている。これはAMLにおける、腫瘍細胞と微小環境との相互作用仮説を示す重要な結果といえる。現在ヒトAML発症骨髄造血支持細胞におけるNOTCHシグナルの発現レベルとヒトAML細胞におけるゲノムプロファイルの関連を解析するため、ヒト骨髄造血支持細胞の単離方法の確立を目指している

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] A phase I/II trial of intrabone marrow cord blood transplantation and comparison of the hematological recovery with the Japanese nationwide database.2017

    • 著者名/発表者名
      Naoki Kurita, Masahiko Gosho, Yasuhisa Yokoyama, Takayasu Kato, Naoshi Obara, Mamiko Sakata-Yanagimoto, Yuichi Hasegawa, Naoyuki Uchida, Satoshi Takahashi, Yasuji Kouzai, Yoshiko Atsuta, Tatsuo Ichinohe, Francesco Frassoni, and Shigeru Chiba.
    • 雑誌名

      Bone Marrow Transplantation

      巻: 52 ページ: 574-579

    • DOI

      10.1038/bmt.2016.319

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Notch遺伝子2016

    • 著者名/発表者名
      加藤貴康,千葉滋.
    • 雑誌名

      造血器腫瘍アトラス

      巻: - ページ: 45-51

  • [雑誌論文] A nationwide survey of co-occurrence of malignant lymphomas and myelodysplastic syndromes/myeloproliferative neoplasms.2016

    • 著者名/発表者名
      Mamiko Sakata-Yanagimoto, Yasuhisa Yokoyama, Hideharu Muto, Naoshi Obara, Naoki Kurita, Takayasu Kato, Yuichi Hasegawa, Yasushi Miyazaki, Mineo Kurokawa, Shigeru Chiba.
    • 雑誌名

      Annals of Hematology.

      巻: 95 ページ: 829-30

    • DOI

      10.1007/s00277-016-2612-3

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] NOTCH遺伝子変異とT-ALL2016

    • 著者名/発表者名
      加藤貴康
    • 雑誌名

      血液内科

      巻: 73 ページ: 751-756

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公開日: 2019-03-07  

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