研究課題
本研究の目的は,心筋梗塞・脳梗塞,癌の予防や有効な治療を目指した抗血小板薬および抗転移薬として可能性のあるCLEC-2 を標的とした分子標的治療薬(抗CLEC-2薬)の開発を目指し,CLEC-2 結合低分子量化合物,およびCLEC-2 結合能を持つが血小板活性化能を欠く変異型の組換え蛇毒ロドサイチンの抗血小板効果および抗癌転移効果の検証を行い,実用化に向け最適化することである.以下に研究実施内容を説明する.1.前年度において,CLEC-2 結合低分子化合物Nが抗血小板薬・抗転移薬として有望であることを,マウス大腿動脈塩化鉄傷害モデルおよびマウス肺転移モデルを用いて証明した.この化合物Nの製造方法を特許出願しており(特願2016-00267),今年度,この出願を基礎として特異性を検証するデータを追加し,PCT(国際)出願を完了した(PCT/JP2017/000059).2.低分子化合物以外のCLEC-2 結合分子の探索として,CLEC-2 結合蛇毒ロドサイチンに注目した.蛇由来の天然ロドサイチンと同等の機能を持つ遺伝子組換えロドサイチンの作製は成功しており,その製造方法に関する出願特許は2016年9月17日に公開された(特開2016-171776).さらに,点変異や部分欠損変異のロドサイチンを作製し検証した結果,CLEC-2との結合部位およびロドサイチンの複合体形成メカニズムを明らかにした.その検証過程において,抗血小板効果および抗癌転移効果を認める機能抑制型のロドサイチンを発見し,国内特許出願(特願2016-94203)した.さらに,データを補足し,国際出願の準備,および論文投稿準備中である.
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J Thromb Haemost
巻: 15(3) ページ: 513-525
10.1111/jth.13604
http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical/clin0lab/