造血幹細胞は造血システムにおいて、最も中心的な役割を果たしていることが知られているが、未だ不明な点が多い。本研究は接着分子であるαvβ3 integrinが「双方向的に造血幹細胞活性を制御する機構の分子メカニズムの解明」を目的として行われ、αvβ3 integrinは外部から誘導される刺激に依存して、造血幹細胞活性を制御することを見出した。このように、本研究で得られた成果は細胞接着を介した新しい造血幹細胞の制御機構を明らかにすると共に、体外での造血幹細胞の維持・増殖のための新規基盤技術の構築や、慢性炎症によって引き起こされる骨髄抑制や貧血などの造血器疾患の機序の解明に寄与するものと考えられる。
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