研究実績の概要 |
当研究室では、CD4陽性CD25陰性LAG3陽性Egr2陽性新規制御性T細胞(以下LAG3+ Tregと表記)を同定しており、近年その抗体産生抑制には、サイトカインtransforming growth factor-β3 (TGF-β3)が重要であること、および、TGF-β3産生はEgr2依存性であることを報告した(Nat Commun.6:6329,2015)。申請者は既にIL-27(p28とEbi3のヘテロダイマー)がSTAT3依存性にナイーブCD4陽性T細胞にTGF-β3を誘導し、B細胞と共培養した際にB細胞活性化が抑制されることを見出している。 平成27年度は、C57BL/6マウス(以下B6マウス)脾臓より、ナイーブCD4陽性T細胞をセルソーターにより回収し、p28単独, Ebi3単独、IL-27単独, IL-6単独、p28 + Ebi3, p28 + IL-27, Ebi3 + IL-27, p28 + Ebi3 + IL-27, p28 + IL-6, Ebi3 + IL-6, p28 + Ebi3 + IL-6といった組み合わせにより、Egr2, TGF-β3がより効率的に発現する組み合わせについて、先ずはmRNAの発現を定量的RT-PCR法により検討した。上記各種サイトカイン刺激を行ったマウスCD4陽性細胞におけるmRNAの発現を調べたところIL-27+IL-6+p28+Ebi3の組み合わせでEgr2, TGF-β3の双方の発現が亢進することが判明した。一方興味深いことに、ELISAによるTGF-β3のタンパク質としての発現評価では、IL-6単独が最も強くTGF-β3産生を誘導していた。
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