研究課題
本研究は九州地区多施設共同超音波前向きコホート研究データを基礎研究に連動させた、関節リウマチ(RA)の分子標的治療薬に対するトランスレーショナル研究である。X 線関節破壊進展ゼロの達成に向けて、 各種分子標的治療薬に共通及び特有の有効性発現機序を解明し、RA における分子標的治療薬の適性使用の理論的根拠の確立を目指す。現在まで本研究に340症例がエントリーされた。1.有効性発現の超音波評価;超音波滑膜炎スコアは3ヶ月後より有意に改善した(臨床免疫学会)。治療6ヶ月の超音波寛解を予測する治療前の因子として、罹病期間が短いこと、分子標的治療約既往がないこと、パワードプラ(PD)活動性が低いこと抽出された(臨床免疫学会、Arthritis Care Res 2018)。また、1剤目TNF阻害薬からの切り替えは、非TNF阻害薬が優位であった(米国リウマチ学会、論文投稿中)。2.血液バイオマーカー変動の評価;マルチサスペンションアレイを用いて網羅的なバイオマーカーの測定を行った。一部のバイオマーカーでは、治療薬により異なる変動を示した。また、治療薬により6ヶ月後の超音波寛解を予測する治療前のバイオマーカーの種類が異なっていた(日本臨床免疫学会)。3.超音波指標とバイオマーカーの関連解析による分子標的治療薬の有効性を反映する Key molecules の抽出;治療前の臨床情報(罹病期間・分子標的治療薬の既往)と血清バイオマーカー(IL-6など)を組み合わせることで治療6ヶ月後の超音波反応性良好できる可能性が示唆された。また、ライデン大学との共同研究により、治療前・3ヶ月・12ヶ月の保存血清を用いて抗CCP抗体、抗カルバミル化蛋白抗体、RFのサブクラスを測定した。X線関節破壊進展ゼロとの関連解析を加え、結果を統合して分子標的治療薬選択アルゴリズムを作成する。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
Int J Rheum Dis.
巻: - ページ: -
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Arthritis Care Res (Hoboken).
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