本研究では、膠原病モデルマウスを用いて、炎症病態形成に関連し得る新たな脂質メディエーターの同定を目的とした。SLEモデルマウスをLC-MSを用いて解析した結果、同マウスではパルミトイルエタノールアミド(PEA)やオレオイルエタノールアミド(OEA)の血中及び脾臓内の濃度が野生型マウスに比べて低値であることが判明した。また、PEAやOEAは、SLEの病態形成に重要なTLR9刺激による樹状細胞やB細胞からの炎症性サイトカインの産生を抑制した。さらに、同抑制作用はマウスを用いた個体レベルでも認められた。今後、PEAやOEAの病態形成への関与やSLEに対する治療効果の検討が必要である。
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