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2015 年度 実施状況報告書

NaF-PETを用いた関節炎モデルにおける骨修復の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K19578
研究機関横浜市立大学

研究代表者

峯岸 薫  横浜市立大学, 医学部, 助教 (40616877)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードNaF-PET / 骨破壊 / 骨修復
研究実績の概要

RAでは、早期から積極的治療を開始し、厳密に疾患活動性の評価をしながら寛解を目指す。超音波画像(Ultrasonography; US)や核磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging; MRI)はその目的にかなう検査法として、有用性が国際的に高く評価されている。本研究では陽電子放出断層撮影(FDG/NaF-Positron Emission Tomography; PET)を併用することで、滑膜炎症と骨軟骨破壊の関連に焦点をあてた解析を行い、骨破壊や修復の予測因子としての画像検査の臨床応用についての検討を行った。
生物学的製剤を新規導入したRA患者12例を対象に、開始時の手のFDG-PET(CT)、NaF-PET(CT)所見と臨床像との関連を解析し、さらに、その後6ヶ月間のX線所見の変化との関連を関節単位で解析した。すると、FDGは主に関節腔や腱鞘に、NaFは関節近傍の骨に集積していたが、個々の関節におけるFDGとNaFの集積強度は相関した(r=0.65)。NaFは骨破壊・修復を反映し、骨代謝マーカーとの関連は症例により異なり、有意な結果は得られなかったが、FDGとNaFの両者の集積が強い関節では関節破壊の進展を認めた(Mod Rheumatol. 2016;26:180-7.)。個々の関節における両核種の集積度は相関するが、集積パターンから、炎症と骨変化が一連の病理変化である可能性が示され、今後はマウス関節炎モデルを用いた解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度の研究実施計画としては、RA患者における骨修復とPET所見の関連解析を目標としており、12例と症例数は少ないものの、臨床的な背景と血清学的所見や骨代謝マーカーとFDGおよびNaF-PETを用いた画像検査との比較を実施することができた。

今後の研究の推進方策

RA患者におけるFDGおよびNaF-PET所見の関連解析からは、NaFは骨破壊・骨修復を反映し、骨代謝マーカーとの関連は症例により異なり、有意な結果は得られなかった。しかしながら、FDGとNaFの両者の集積が強い関節では関節破壊の進展を認めたことより、炎症と骨変化が一連の病理変化である可能性が示され、骨修復のメカニズムの解明およびRAの構造的寛解をもたらす妥当性に関してはマウスモデルを含めた更なる解析が必要である。

次年度使用額が生じた理由

本研究では、NaF-PETを用いた関節炎モデルにおける骨修復の解明を目指しており、平成27年度は関節炎モデルで実践する前に、実際のRA症例における骨修復に関する解析を行った。関節炎モデルでの病態解明のための、顕微鏡や各種試薬の購入などを予定していたが、平成27年度は関節炎モデルには着手することができず、予定していた実験機器の購入は行うことができなかった。

次年度使用額の使用計画

RA症例の解析により、関節におけるFDGやNaFの集積パターンから、骨破壊・修復につながる、炎症と骨変化の関連を示すことができ、平成28年度は、予定していた実験機器や試薬およびマウスの購入を進めて、マウスの関節炎モデルを用いた更なる病態解明を行っていく方針である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] (18)F-FDG and (18)F-NaF PET/CT demonstrate coupling of inflammation and accelerated bone turnover in rheumatoid arthritis.2016

    • 著者名/発表者名
      Watanabe T, Takase-Minegishi K, Ihata A, Kunishita Y, Kishimoto D, Kamiyama R, Hama M, Yoshimi R, Kirino Y, Asami Y, Suda A, Ohno S, Tateishi U, Ueda A, Takeno M, Ishigatsubo Y.
    • 雑誌名

      Mod Rheumatol.

      巻: 26 ページ: 180-7.

    • DOI

      10.3109/14397595.2015.1069458.

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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