本研究では、陽電子放射断層撮影(FDG/NaF-PET)を用いて、滑膜炎症と骨軟骨破壊の関連に焦点を当てた解析を実施した。その結果、FDGは主に滑膜炎を、NaFは骨破壊・修復を反映していることが判明し、炎症と骨変化が一連の病理変化である可能性が示された。特に、早期RA患者で、生物学的製剤の治療反応性が優れている場合に骨修復が見られていた。これらの知見を基に、関節炎モデルマウスを用いた解析を実施した。誘導型ヘム分解酵素HO-1が高発現したBach1欠損マウスにおいて野生型より骨破壊の軽減が見られ、HO-1発現の制御を介した新規治療薬がRAの骨代謝のターゲットとなり得ることが示された。
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