研究課題/領域番号 |
15K19585
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
萩谷 英大 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (30718531)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 薬剤耐性菌 / リバイバル / ラタモキセフ / ホスホマイシン / カルバペネム / セフメタゾール |
研究実績の概要 |
世界的な薬剤耐性菌の蔓延が懸念されている一方で、新規抗菌薬の開発が追い付いていない現状において、既存抗菌薬のリバイバル使用を検討することが求められている。特にカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)においては多剤耐性傾向を示し、様々な感染症を引き起こすことから世界各国で対策が急がれている。 平成27年度は施設異動に伴い研究環境が変化したことで、研究内容に若干の変更があった。まず国内のCREの現状について調査する目的で、自施設が位置する大阪北部の多施設横断研究を行った。結果として、予想を超える数のCREが検出され、今後さらに具体的なCRE対策が必要であることを痛感した。また国外では主にミャンマー連邦でのCREサーベイランスを開始した。当該国におけるCREの疫学については全く調査されていない状態であったが、NDM産生CREが高頻度に検出されることが判明した。今後も広くCREサーベイランスを国内外で展開して行く予定である。 本研究課題である既存抗菌薬のリバイバル使用という点については研究計画途中であるが、薬剤併用による相加・相乗効果の検討、動物実験系を用いたIMP-6産生CREに対するイミペネムの有効性の確認などを行う予定である。対象薬剤としては、ホスホマイシン、ラタモキセフ、種々のカルバペネム系薬剤を候補として考えている。本研究により今後日本国内でも蔓延するであろうCREに対する有効な治療選択肢が増える可能性が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度4月から施設異動となり、研究環境が変化したため。
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今後の研究の推進方策 |
特にカルバペネム耐性腸内細菌科細菌に対する既存抗菌薬の有効性について、in vitro、動物実験等で検証する。 対象薬剤としてはラタモキセフ、セフメタゾール、ホスホマイシンといったものを想定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は主に実験系において既存抗菌薬の有効性に関する検討を行う。そのための試薬や実験用動物購入費などに研究費が必要である。
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次年度使用額の使用計画 |
実験用に、菌株保存チューブ・抗菌薬ディスク・プレート・培地などを購入する。 実験用マウスを購入する。 また現在進行中のCREサーベイランスのための旅費・物品費用に研究費をあてる。
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