日本人は新生児期に高ビリルビン血症(高ビ血症)となり易く、重篤になると核黄疸を来たし致死的となる。しかし高ビ血症の明確な原因は未だ不明である。我々はビリルビンの抱合酵素をコードするUGT1A1遺伝子Gly71Arg多型が日本人の高ビ血症に深く関連し、同多型が母乳不足下で初めて危険因子になることを報告した。さらに肝臓にビリルビンを取り込む有機アニオントランスポーター(OATP)の遺伝子多型と体重減少、高ビ血症の関係に着目し統計解析をした結果、OATP遺伝子多型も体重減少率が10%以上の場合に初めて高ビ血症の危険因子となることを報告し、栄養状態の改善で高ビ血症を予防できる可能性を明らかにした。
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