難治性乳児白血病に代表的なMLL遺伝子再構成を有する融合遺伝子を、CD10陽性の白血病細胞株に導入した。当初、融合遺伝子を導入することで、乳児白血病に特徴的とされるCD10の発現が陰性化することが推測された。しかし、導入後もCD10は陰性化されないことが認められ他の要因の関連性が示唆された。 また、無治療自然寛解した先天性急性骨髄性白血病症例を経験した。細胞解析を行うと、発症時点でRNAやタンパクの発現量が極端に低下していることが分かった。このように発現が抑制されていることは過去に示されたことはなく新規発見となった。これらのメカニズムの解明が新規治療法開発の足がかりになると考えられた。
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