研究課題
先行研究として正常コントロール、川崎病や菊池病などを対照とし、全身型JIA患者由来末梢血単核球でmicroarray解析を行った。microarrayで全身型JIAで発現が亢進している遺伝子につき、Taqman probeを用いた比較定量PCRを行った。まず、AHSP(Alpha-hemoglobin-stabilizing protein)、FGF7(Fibroblast growing factor)、ETS1(V-ets avian erythroblastosis virus E26 oncogene homolog 1)について解析した。この3遺伝子のうち、AHSPは全身型JIAで有意に発現上昇がみられたが、FGF7/ETS1遺伝子については正常コントロール、疾患コントロールと比べて有意な上昇は見られなかった。そのため、他の論文も参考に、SLC6A8、RAP1Aについても定量PCRを追加した。SLC6A8については発現上昇がみられたが、RAP1Aは有意な差は認めなかった。AHSP、SLC6A8については相関関係を認めた。
2: おおむね順調に進展している
全身型若年性特発性関節炎(JIA)患者でのmicroarray解析結果より、高発現である遺伝子について定量PCRでの解析を行ったところ、有意に上昇がみられた遺伝子もあったが、microarray結果と異なり、発現上昇がみられない遺伝子も認められたため、解析対象遺伝子の検討が必要である。
他の論文などを参考に、全身型JIAで高発現がみられる遺伝子につき、定量PCR解析を追加する。複数の遺伝子発現量を用いての特異診断について、統計解析を行う。定量PCRで上昇が確認できた遺伝子について、全身型JIAの病態について新たな知見が得られるか検討を行う。
Microarrayは先行研究のみ行い、追加での解析は現時点で行わなかった。定量PCR検討は多数検体で行ったが、対象遺伝子数がまだ少なかったため、購入物品が当初の予定より少なかった。
定量PCRでの検討に用いるprobe、bufferなどの購入費用に用いる。また、発現結果に対し統計解析を行う予定であり、統計解析ソフトを購入する。成果発表および情報収集のための旅費として使用する。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)
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