研究課題
全身型JIA患者由来の末梢血単核球で、正常コントロール、川崎病、菊池病を対照として行ったmicroarray解析では、全身型JIAで赤芽球関連遺伝子の発現が上昇しており、特に高値であったAHSP(Alpha Hemoglobin Stabilizing Protein), HBD(Hemoglobin, Delta), CA1(Carbonic anhydrase1)について他の全身型JIA患者、川崎病患者、関節型JIA患者などの末梢血単核球のmRNA発現を比較したところ、全身型JIA患者単核球で有意に発現上昇を認めた。これら3遺伝子はCD45陽性白血球には全く発現が認められず、CD71陽性赤芽球でのみ発現していることから、全身型JIA患者単核球中に赤芽球が多く存在することが示唆された。このため、前向きに患者検体を収集し、フローサイトメトリーにより末梢血単核球中のCD45lowCD71+GPA+赤芽球の存在を確認したところ、川崎病患者や関節型JIA患者に比べ、全身型JIA患者で末梢血単核球中に有意に多く赤芽球の存在が確認され、全身型JIAの早期診断に有用であることが示唆された。全身型JIA患者では回復期にRDW(赤血球容積粒度分布幅)の上昇が認められることからも、全身型JIAの病態と赤血球産生能との関連が示唆された。今後、全身型JIAで末梢血中に赤芽球が出現する原因を検索するため、患者血清中の炎症性サイトカインや赤血球産生因子との関連の検討を行う必要がある。また、全身型JIA患者末梢血中に見られる赤芽球の担う機能を検討するため、他の検体由来の赤芽球を対照としたmicroarray解析を検討している。
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